2013年12月16日月曜日

第四幕 かぐや姫の物語 

「かぐや姫の物語」は、2013年公開のスタジオジブリのアニメ映画。高畑勲監督。
ご存知のように「竹取物語」を題材にしています。

同じくスタジオジブリ作品の「風立ちぬ」に続く大作の公開となりました。
製作期間8年、製作費50億円という一大プロジェクトですが、「風立ちぬ」とは対照的に、絵はいたってシンプル。絵が動くようなイメージが基調となっており、アニメーターの描いた手書き風のキャラクターと背景となっています。



映画のストーリーは、高畑監督が竹取物語を独自解釈して発展させたもの。

とはいえ、
竹林の中で赤ん坊発見→美しい姫に育って上京→貴公子からの求婚と拒絶→月に帰
という大まかな筋は踏襲されています。

このジブリ版「竹取物語」で、新たなに加わった要素はかぐや姫に幼友達がいた、という点。
木の器を作りながら農村を点々とする木地師の子供たちです。その木地師の若者、捨丸に恋心を抱いているという設定。

かたや、かぐや姫を育て上げた翁(おじいさん)。
彼はかぐや姫を立派な姫君にして、やんごとなき家柄に嫁がせることを天命と受け取ります。

しかしそれは、かぐや姫の意思に反することでした。彼女は幼友達との田舎暮らしを捨てたくなかったのです。

都に出たかぐや姫は花嫁修業として、おはぐろなどの公家風の化粧を施されますが、拒絶。
お琴の稽古もしない。屋敷の中に小さな畑を作って、虫と戯れているほうが彼女にとっては自然な楽しみでした。
かぐや姫にとっては、嫁ぎ先でお飾りになるのは、自分の意思を捨てること、自由の束縛にほかなりません。

友人も、結婚相手も自分で選びたい。
ジブリ版「竹取物語」では、かぐや姫を現代っ子に置き換えているようです。
生き方を誰にも縛られたくないのです。

原作と同じく、かぐや姫が求婚してきた貴公子に無理難題をふっかけて追い払うのはそのため。
天皇までも彼女に興味を示し始めますが、かぐや姫は相手にしません。

孤独な戦いに疲れたかぐや姫は、かつて暮らした山里へ向かいます。
そこでなんと、捨丸とばったり再会します。ところが彼にはすでに家族がいました。
かぐや姫が地球で見た夢はついえました。

本作品のサブタイトルは「姫が犯した罪と罰」となっています。月の住人であるかぐや姫が、地球で人間的な幸せを夢見たことが「罪」だったのでしょうか。
その夢が果てたところで、月から華やかな一団がやってきます
翁たちの抵抗もむなしく、月に連れ戻されるかぐや姫。彼女の地球での記憶もすべて消去されてしまいます。

50億円の製作費を費やした「かぐや姫の物語」も、興行収入は22億円と苦戦したようです。
なじみの深い竹取物語を、あっと驚くように料理するのはやはり難しかったのでしょうか。
かぐや姫に現代っ子的な精神を吹き込み、幼友達を登場させたものの、ストーリーとしては「やっぱり」という展開と受け取られたのかもしれません。

それでも結末が分かっているとはいえ、かぐや姫が泣く泣く月に戻っていくシーンは感動でした。



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