2014年1月18日土曜日

第七幕 華麗なるギャツビー 

昨年6月の日本公開開始から3日間で15万人を動員した「華麗なるギャツビー」。
原作はいわすと知れたフィッツジェラルドの同名小説。近年では村上春樹の新訳も刊行されました。

ヒットの要因は、主役にディカプリオををすえたことに尽きると思います。みもふたもない言い方ですが。ロマンスに登場したのも「タイタニック」以来だったとか。やはりシリアスな役よりもナンパでハンサムで、どこか影がある役のほうがしっくりきます。
http://movies.yahoo.co.jp/interview/201306/interview_20130613001.html

本作品の中心となる舞台はギャツビー家で延々と繰り広げられるパーティなのですが、演出は「派手すぎる」という批評もあったほどきらびやか。ディカプリオ演じるギャツビーは、それにひけをとらない華やかさがあります。作品世界の本当の住人のようです。

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ディカプリオのみならず、周囲を固める配役もうまくはまっています。

ヒロインのデイジー役はキャリー・マリガン。
知的で落ち着いた感じの美人ですが、華やかさはありません。
一方のデイジーは裕福な家のお嬢さん。出身階級や家族を捨ててまで恋をまっとうするつもりはありません。どちらかというと他者に運命をゆだねるタイプ。

このデイジー役、ほかの役者をくってしまうほどの魅力と存在感があると物語が成立しません。
こんな「つまらない女」にほれ抜いて、そして彼女を振り向かせるためだけに夜な夜な豪華なパーティーを催す-。そんなギャツビーの特異さを描き出すために、デイジーはきれいだが退屈な良家のお嬢さんである必要があるのです。
キャリー・マリガンはそんな特徴のないヒロインを、きらびやかな作品世界に埋没させることもなく、うまく演じています。

そしてギャツビーの友人であり、物語の語り手であるニック役(トビー・マグワイア)も好演でした。
ニックはニューヨーク郊外の高級住宅地に引っ越したことから、隣人となったギャツビーとの交友が始まります。証券会社に勤める独身の29歳。原作の発表から90年近くたつというのに、現代のテレビドラマにも出てきそうなほど古びることのない設定です(戦争に従軍したという点を除いては)。

トビー・マグワイアもさわやかなハンサムではあるが、とびきりの美男というわけでもありません。その存在が、ギャツビーやデイジーといったあくが強く、一般的な金銭感覚とはかけ離れた登場人物たちをうまく中和。そして最後までギャツビーとの友情を貫きます(私生活でもディカプリオと親しいのだとか)。

それだけ見る側にとっても感情移入しやすい役どころ。
もしかしたら自分もニックのように大金持ちとお近づきに慣れるのではないか。裕福ではなくても困った友人を助けることができるのではないか。そんな夢も抱かせます。
トビー・マグワイアは、そんなどこにでもいそうな好青年ニックのイメージにぴったりでした。

主人公のギャツビー役はともかく、いわば特徴がないことが特徴のデイジーとニックというメインキャストにはまり役を得たこと。ただもすると「演出が派手なだけ」の作品に終わる可能性もあった本作品を引き締める結果になりました。








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