2014年9月7日日曜日

第十五幕 世界にひとつのプレイブック

「世界にひとつのプレイブック」は、ブラッドレイ・クーパー主演。
ヒロインのジェニファー・ローレンスはアカデミー賞主演女優賞を獲得しています。

互いに心の傷を負った主人公パットとヒロインのティファニーが心を通わせていくというストーリー。
その心の傷というのが、いかにも現代的でアメリカ的。主人公は妻の浮気現場を目撃してしまったために、トラウマを抱えています。一度、きれてしまうと、だれかれと見境なく暴力を振るったり、破壊衝動に駆られたりと、家族も手に負えないほど。

さらに困ったことには、元妻に近づかないという条件付きで出所してきたにも かかわらず、執拗に妻との復縁を図ろうとしているのです。元妻への愛情のゆえの行動というより、一種の偏執狂。

一方のヒロインも、夫を事故で亡くしたことで心に深い傷を負いました。
ところが、その傷を性行為で埋めようとするのです。 かれんな容姿と裏腹に、深刻なセックス依存に陥ってしまいます。一度関係を持っただけの男たちが、次々とやってくる。そしてセックス依存症から抜け出せないという悪循環。


その二人がトラウマを癒そうとはじめたのがダンスでした。
乗り気ではなかったパットをティファニーが強引に誘うのですが、そのコンテストの結果が賭けの対象となってしまい、ギャンブル好きのパットの父(ロバート・デニーロ)までも巻き込んでの大騒ぎになってしまいます。

まったくの素人の二人がダンスに励む様子は、一見ほほえましく映ります。
でも、この二人、いつきれてしまうかわかりません。

予定調和的なストーリーなら、めきめきと上達して優勝を飾るところなのでしょうが、二人とも下手なまま。
もっとも、賭けの対象としては、大方の予想を裏切る点数をあげます。
素人ペアのダンスが、ハラハラドキドキを誘うのは、二人がいつきれてしまうかわからないからです。

かなり「いたい」映画ですが、 ストレス社会に暮らしていれば、いつ彼らと同じような境遇に陥るかわかりません。
ダンスコンテストを終えて、互いの感情を確かめ合う二人。
トラウマと破壊衝動を抱えた者同士が結ばれるという新しいタイプのコメディといえるのではないでしょうか。 

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