2014年9月10日水曜日

第十六幕 ミッドナイト・イン・パリ

ミッドナイト・イン・パリ(2011年)は、ウッディ・アレン監督のコメディ映画。
アカデミー賞・脚本賞受賞。 

舞台はパリ。
作家志望の主人公ギルは、婚約者イネスとその両親とフランス旅行に出かけます。
ところが結婚を控えているというのに、ギルとイネスとの趣味や価値観の違いがパリで浮き彫りになってしまいます。

二人は旅行先で、たまたま知人のポール夫婦と出会います。
イネスはポールを気に入っているものの、ギルには彼のインテリぶったところが鼻持ちなりません。
イネスとの仲がギクシャクし始めたギルは、夜のパリに出かけます。
街角で酔いつぶれていると、目の前には一台のクラッシクカーが。
「乗れよ」。わけもわからず車に乗り込み、連れられた先はパーティーの会場。 そこに集まっていたのは、なじみのある顔ばかり。フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ピカソ…。

それもそのはず、「失われた世代」を代表する文人ばかりだったのです。

ギルはクラシックカーに乗って、1920年代のパリにタイムスリップしたのでした。 
作家志望のギルにとって、ヘミングウェイやフィッツジェラルドは雲の上の存在です。彼らが集い、議論を戦わせる姿にみせられて、ギルは宿泊先から夜な夜な夜の街に出かけていきます。 

デートの誘いを断られ続けるイネスは、婚約者の行動を不信がります。

ところが、「失われた世代」のとりこになってしまったギルを止めることはできません。
小説家志望の彼は、ヘミングウェイらに作品を批評してもらいたかったのです。 

そして彼は、ピカソの愛人アドリアナと恋におちます。
かれんなヒロイン、アドリアナ。でも、ピカソを慕っているというのに、彼に振り回し続けられています。

ミッドナイト・イン・パリの映画評論・批評

ギルは親身になって彼女の相談に乗ります。 
ところが1920年代の夢の世界でデートをしていた二人は、ひょんなことから、さらに過去にタイプスリップしてしまうのです。

そこでは、さらに古い時代の文人たちが集っていました。
これぞ「ゴールデンエイジ」とアドリアナは目を輝かせ、過去の世界から戻るのを拒みます。 

一方のギルは、そこで夢からさめてしまいます。
結局、彼は古のパリにしあこがれていただけだったのです。

マッチョなヘミングウェイ、奔放なピカソ…。
失われた世代の文人たちは、さもありなん、といった行動や言動を繰り広げます。

激論を交わし、ときには取っ組み合いのけんかもします。
それに比べれば、ギルは自信なさげで、ひ弱にうつります。なんの実績もない小説家の卵が主人公だからこそ、このコメディ映画が成り立つのですが。

失われた世代は、世界の文学、芸術に今も大きな影響を及ぼし続けています。
そんな彼らの間に現代人が迷い込んだらどうなるか。この作品が面白いのは、ウッディ・アレンの発想力のゆえなのでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿