2014年10月24日金曜日

第二十七幕 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」は2002年公開のアメリカ映画。スティーブン・スピルバーグ監督。レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス出演。

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンは、実在の詐欺師フランク・アバグネイル・ジュニア(ディカプリオ)の同名小説(邦訳は「世界をだました男)が題材。同種の事件に比べれば被害額はたいしたことがなかったものの、16歳という若さと大胆な手口によって、テレビでもたびたび取り上げられたそう。

映画の冒頭にも、クイズショーにディカプリオふんする出所後のフランクが登場するシーンがあります。スタジオのフランクはパイロット姿ですが、もちろん偽装です。フランクはパイロット、医師、弁護士と次々と身分を偽り続けます。そして各地で偽造小切手を切り続け、大金を持ち逃げするのです。

その姿は天才詐欺師というよりも虚言症のよう。
本人は意図していないのに嘘で身を固めてしまう。役者が演じているのですから当然かもしれませんが、驚くほどすらすらと作り話が出てくる出てくる。


フランクは犯罪に手を染める以前から、その片鱗をみせるのです。
転校先でフランス語教師になりすまし、勝手に授業をしてみせます。それだけなら可愛いものですが、その後はパイロットに成りすまし、各地へ飛び続けます。操縦の知識などまったくないにもかかわらず。見習いの飛行士として、コックピットに何食わぬ顔で同乗。そして玩具の飛行機からパンナムのステッカーをはがして張って、偽造小切手を作り続けるわけです。

捜査の手が迫っていることを知ったフランクは、すでに医師に偽りの身分をすり替えています。
もちろん、医学の知識などありません。急患の患者が病院に運ばれてきても、実際は自らより年上の若手医師たちに処置を指示するだけ。

フランクはこの病院の看護師ブレンダ(エイミー・アダムス)と結婚寸前にまでこぎつけます。
彼女の父ロジャー(マーティン・シーン)はなんと検事。並大抵の犯罪者なら逃げ出すところでしょうが、フランクは弁護士への転身の指南役としてしまうのです。この大胆さが、犯罪者ながら愛される由縁なのでしょう。

そしてブレンダとの婚約パーティ。
ここでFBIの捜査官カール(トム・ハンクス)の出番です。逮捕寸前まで迫りますが、あと一歩のところでフランクに逃げられてしまいます。「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」というのは、鬼ごっこのときの掛け声だそうですが、その言葉通り、フランクは追いかけるカールの手から華麗にすり抜けてしまいます。


二人の鬼ごっこの解決の糸口となったのは、フランクの母親ポーラ(ナタリー・バイ)。
万策尽き果てようとしていたカールは、彼女の出身地フランスのとある村に手がかりを求めます。まさにビンゴ。その村には偽造小切手を作る印刷工場があったのです。

ついに捕まったフランク。これでめでたし、めでたしといかないのが、この映画の面白いところ。
カールはフランクを更生させるため、FBIの詐欺捜査アシスタント役として採用します。
ところがフランクは、ここでも持ち前の才能を発揮。再び犯罪に走ろうとします。

結局、再び捕まってしまうのですが、彼の執念の源はどこにあったのか。
その背景には両親の離婚がありました。父(クリストファー・ウォーケン)は第二次大戦で勲功をあげた元軍人。大戦後は事業を手がけるものの失敗。軍人時代にフランスで知り合った妻に逃げられてしまいます。

フランクはすべてを失った父を喜ばせようと、パイロット、医師、弁護士と虚飾で身を包もうとします。また偽造小切手を切り続けたのも、父に融資を渋った銀行への復讐だったのかもしれません(原作は映画とは逆に、父を憎んでいたらしい)。
逮捕後、FBIから逃げ出したのも母親の新たな家庭の様子をうかがうためでした。母恋しという動機だけでなく、せめて父のことを忘れずに暮らしていてほしいという期待からだったのでしょう。ところがどっこい。そこには父親違いの妹がいたのです。

家族を失ったフランクを、親代わりのように親身に面倒を見たのが、彼を追いかけ続けたカールだったのです。




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